この記事では、「ワインの香りってどんな香りがするの?」という疑問や
「初心者でも分かりやすいワインの香りの楽しみ方」を解説していきます!
ワインってどんな香りがするの?
ワインの香りは数百種類以上の「におい物質」が混ざった香りからできています!
白ワインには「におい物質」として700種類
赤ワインには500種類の「におい物質」があります。
上記の写真は一部ですが、このように様々な「におい」に関する成分からワインの香りは成り立っています!
数百種類ものにおいに関する成分があるので個人個人においの感覚はまちまちです。
そこで「においの言葉」を共通しようと考えられたのがアロマホイールまたはフレーバーホイールです。
日本のアロマホイール
日本には日本ワインのアロマホイールというものがあります。
大分類、中分類、小分類と大きく3つの構成からできていて、大から小分類へ行くにしたがって細分化されています。
大分類は12種類、中分類は24種類、小分類は120種類からできています。
果実、花、植物、土、木、スパイス、焦臭、動物、乳製品、発酵、薬品、その他
白い花、有色花、ハーブ、茶、野菜・草、土、キノコ、木、スパイス、ナッツ、甘い、煙、動物、乳製品、発酵、薬品、油、酒類、その他、柑橘類、甘い果実、トロピカルフルーツ、ベリー、ドライフルーツ
スミレ、ミント、ジャスミン、青ピーマン、湿った土、トリュフ、ヒノキ、コショウ、焼きリンゴ、ココア、古皮、ヨーグルト、たくあん、インク、ワックス、吟醸酒、鉄、レモン、洋ナシ、パイナップル、ラズベリー、etc
有名なぶどう品種のワインってどんな香りなの?
ピノ・ノワールの香り
ピノ・ノワールは世界的にとても有名な品種です!
香りは主にベリー系が多く、イチゴ・ラズベリー・アメリカンチェリーのような赤い果実の甘い香りが特徴的なワインになります。
さらにバラの香りや腐葉土の香り、そしてマツタケの香りまで感じられます。
シャルドネの香り
シャルドネも世界的に有名な品種になります。
シャルドネは気候や土壌によって多彩に変化するぶどう品種で、温暖な気候での香りと冷涼な環境では香りがまるで違います(^^♪
温暖な気候での香りはパイナップルのようなトロピカルフルーツの香りが印象的です。
冷涼な気候ではレモンのような香りがします。
カベルネ・ソーヴィニョンの香り
カベルネ・ソーヴィニョンは世界各地で生産されているとても有名な赤ワイン品種です。
香りは熟成度によって変わってきます。
熟成度が若い場合の香りは青臭いピーマンの香りや果実味の強いカシスの香りが印象的です。
熟成度が増してくると、杉の木に似た香りやたばこの香りがします。
甲州の香り
甲州は日本に馴染み深い品種です。
収穫時期や醸造方法によって香りが大きく異なるため、なかなか「コレ」といってイメージしにくいのが特徴です。
- シュール・リー:ワインとオリを接触させることによってワインに深みを持たせる製法。この製法では酵母に由来するイースト(パン)の香りが特徴的です。
- 従来の収穫時期より早期に収穫する造り:グレープフルーツのような香りが特徴的です。
- 果皮と一緒に発酵させる造り:焼きリンゴのような香りが楽しめます。
シュナンブランの香り
シュナンブランにおいても温暖な気候と冷涼な気候では香りが異なります。
温暖な気候では柑橘系の皮、リンゴ、はちみつの香りがします。
冷涼な気候ではパイナップル、メロン、洋ナシ、桃など香りです。
メルローの香り
メルローはカベルネ・ソーヴィニョンやピノ・ノワールに並ぶとても人気なぶどう品種です。
基本的にはブラックベリーやドライプルーン、チョコレート、キノコの香りが感じられます。
更に温暖な地域ではクローブのようなスパイスの香りも感じることもあります。
冷涼な気候では、ブラックベリーやアメリカンチェリーのような香りに感じます。
ソービニヨン・ブランの香り
ソーヴィニョン・ブランは香りが強く、特徴をとらえやすい品種になります。
主な香りはグレープフルーツやレモンのような柑橘系の香り、そしてパッションフルーツの香りが特徴的です。
また、ソーヴィニョン・ブランの独特な香りとして有名なのは青草やカシスの芽、ネコのおしっこなどがあげられます。
マスカット・ベーリーAの香り
マスカット・ベーリーAは甲州に次いでの日本で生産されるワインになります。
マスカット・ベーリーAの香りはイチゴ、カラメル、綿菓子のこの3つの香りが特徴的です。
ワインになるまでの過程でも香りは違う!
ぶどうからワインになるまでの過程はやはり、香りがだんだんと変わっていきます。
大きく分けると、収穫前・収穫時・醸造時・熟成時。
この4段階でそれぞれ香りが変化し、最終的にワインの香りとなっていきます。
- ぶどう本来の持っている香りを【第一アロマ】
- 醸造過程において微生物の体内で作られた香りを【第二アロマ】
- 樽やタンク、瓶詰後に熟成することで生まれる香りを【第三アロマ】
収穫前の香りとは?第一アロマ
収穫前には収穫時期を測るために、ぶどうの実を味見して収穫時期の判断を行います。
ぶどう本来の香りを感じやすいぶどう品種(ワイン)を「アロマティック」と言い、ぶどう本来の香りを感じにくいぶどうを「ニュートラル」と言います。
アロマティック品種として有名なソーヴィニョン・ブランが分かりやすいのですが、ワインになった時の香りに近いグレープフルーツやカシスの芽の香りがぶどうの実からほのかに香ります。
ニュートラル品種のシャルドネにおいては、香りを感じにくいのですが、ほのかに洋ナシやリンゴなどトロピカルな香りが少し感じられるようになります。
収穫時の香りとは?第一アロマ
収穫時の香りはぶどうの梗(ぶどうの軸)や葉っぱなどが収穫したぶどうと一緒になるため、青草や青ピーマンのような香りが特徴的です。
醸造時の香りとは?第二アロマ
- 除梗・破砕時:ぶどうの実と梗の部分を切り離すことで植物の香りがします。
- ぶどうの実をプレスする時:ぶどうの果汁の香りが醸造所いっぱいに広がります。
- ぶどうがアルコールに変わる時:ここが「第二のアロマ」と言われ、微生物(酵母)が活躍することでぶどうが発酵し、ワインの香りに近づいていきます。
熟成時の香りとは?第三アロマ
熟成時の香りは【第三アロマ】と言い、樽やタンクで熟成している最中もゆっくりと香りが変化していっています。
- 樽熟成:樽に含まれる臭い成分がアルコールによって溶け出すことでバニラの香り、シナモン、ナッツなどさまざまな香りがワインに影響します。
- タンクでの熟成:タンクではフレッシュさやフルーティーな香りをそのまま残すような傾向があります。
- 瓶熟成:瓶熟成で有名なのはリースリング種のワインによる「ペトロール香」です。なんとも言えない灯油のような魅力的な香りとなります。
ワインの樽の香りってどういう香りなの?
木樽は木の木目から酸素を取り込むことで呼吸をしています。
ワインはこの酸素を取り込むことで香りや味に深みが増します。
- 穏やかな酸素の取り込みによって渋みがマイルドになる
- 木樽からの成分が抽出され、風味が複雑になる
- バニラの香り
- トーストの香り
- モカの香り
- キャラメルの香り
- ココナッツミルクの香り
初心者でも分かりやすい!ワインの香りの楽しみ方!
まずは、ワインの香りをしっかり嗅いでみよう!
グラスから香りを嗅ぐ
まずはワイングラスを鼻に近づけ、そのまま嗅いでみましょう!
香りを一番感じやすいのは最初にワインの香りを感じた時なので全神経を集中させましょう!
最初に感じやすいのは【第一アロマ】です。
フルーツの香りや植物の香りが感じられます。
スワリング
続いて、スワリングというグラスをぐるぐる回してワインと空気を触れさせるような作業を行います。
スワリングを行うことでワインが空気と触れ、ワインの様々な香りが発散されます。
この時にパンのイーストの香りやヨーグルトなどの香りが感じられ、醸造過程によって発生する香りを【第二アロマ】と言います。
- 空気に触れさせ、短時間で多くの香りを立たせるため
- 温泉卵の臭いを回避するため
※醸造・貯蔵段階において、空気に触れていないと稀に温泉卵の臭いがしてしまいます。この臭いを消すためにスワリングを用いて酸素に触れさせ回避するという考え方があります。
テイスティング
飲む際にもしっかりと香りを感じることができます。
人はのど越しでも香りを感じることができ、ワインを飲みこんだあとにのど越しから鼻腔の方へ戻るルートで香りを感じることができます。
これを「レトロネーザル・オルファクション」または「戻り香」と呼ばれています。
まとめ
- ワインの香りは数百種類の香りがあり、いろいろな臭い成分が混ざった香りである
- 香りはアロマホールと呼ばれる共通した言葉がある
- ぶどう品種それぞれに特徴的な香りがあり、ぶどうそのものに強い香りがあるアロマティック品種とほのかに香りがするニュートラルな品種がある。
- ワインになるまでの過程にもさまざまな香りがあり、それぞれの工程の香りにおいて【第一アロマ】【第二アロマ】【第三アロマ】とある
- ワインの香りを楽しむ時には「スワリング」もやってみる
- 鼻からの香りだけでなく、のど越しでの香りも楽しむ
ワインの香りはとても神秘的で魅力的です。
香りを楽しめるようになるとワインの味わいも一層楽しめます(^^♪
この記事を読んでいただいた方にはワインの香りの楽しみ方が良く分かっていただけると思うので今日から色々なワインの香りを堪能して下さい!
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